フリーランスで働きながら子どもを保育園に預けたい。このとき多くの人がぶつかるのが、「自分は会社員より落ちやすいのではないか」という不安です。結論から言うと、制度上フリーランスが排除されているわけではありませんが、証明の手間と点数の付き方で、準備しておかないと不利になりやすいのは事実です。この記事では、その仕組みと、不利を減らすためにできる準備を整理します。制度は自治体ごとに違い、毎年見直されるので、最終的な基準は必ずお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

保育園の入園は「点数」で決まる

まず前提を揃えます。認可保育園は、希望者が定員より多い地域では、申し込み順ではなく「保育の必要性が高い順」に入園が決まります。この必要性を数値化したものが、いわゆる「点数」(自治体によって指数・ポイントなどと呼びます)です。両親の就労状況や家庭の事情を点数化して、高い世帯から入っていく。

この点数で、フリーランスがつまずきやすいポイントが二つあります。一つは「働いていること」をどう証明するか。もう一つは、同じ働き方でも会社員より点数が低く付けられることがある、という運用です。逆に言えば、この二つに手を打てば、不利はかなり縮められます。

「働いている証明」をどう用意するか

会社員なら、勤め先が就労証明書を書いてくれます。フリーランスは、その証明を自分で組み立てる必要があります。自治体によって求められる書類は違いますが、よく使われるのは次のような組み合わせです。

まず、開業届の控え。税務署に出した「個人事業の開業・廃業等届出書」の控えは、事業を営んでいることの基本的な証明になります。独立したらまず出しておくべき書類で、保育園の申請でも効いてきます。

次に、確定申告書の控え。前年に事業所得があることを示せる、強い証明です。開業したばかりで申告実績がない場合は、契約書や請求書、業務委託の契約内容、通帳の入金記録などで「実際に仕事をして収入がある」ことを補います。

そして、自治体所定の就労(自営)申告書。フリーランス本人が、就労場所・仕事内容・稼働日数・稼働時間を自己申告する書類です。ここに書く稼働時間が点数に直結するので、実態に沿って、しかし正確に埋めることが大切です。実際より少なく書いてしまって点数を落とす人がいますが、逆に実態のない水増しは禁物。あくまで事実ベースで、きちんと働いていることが伝わるように書く、という姿勢が要ります。

点数で削られないための三つの準備

証明が揃っても、点数の付き方で差が出ます。不利を減らすためにできることを三つ挙げます。

一つ目は、稼働時間をきちんと確保して申告することです。多くの自治体は、月あたりの就労時間(たとえば月120時間以上、月64時間以上など基準は様々)で点数を段階づけます。在宅で細切れに働いていると時間を過少に見積もりがちですが、実際に働いている時間を正しく積み上げて申告する。日々の稼働を記録しておくと、申告にも面談にも自信を持って臨めます。

二つ目は、「自宅で働いている」ことを不利にしない書き方です。自治体によっては、自宅外で働く人と自宅で働く人で扱いが分かれ、在宅を低めに見る運用が残っている場合があります。ここは事前に窓口で「自営・在宅の場合の点数の扱い」を確認し、必要なら仕事専用のスペースや稼働の実態を具体的に説明できるようにしておくと安心です。

三つ目は、書類の整合性です。開業届、確定申告書、就労申告書で、仕事内容や稼働時間の記載が食い違っていると、審査で引っかかります。数字と内容を揃えておく。地味ですが、通す人ほどここを丁寧にやっています。

認可に落ちたときのために、認可外も並行して見ておく

どれだけ準備しても、地域の競争率が高ければ認可に入れないことはあります。だからこそ、認可保育園の申請と並行して、認可外保育施設や企業主導型保育も早めに見ておくことをおすすめします。

認可外は保育料が高めになりがちですが、就労状況の点数に左右されず、直接申し込めるところが多い。そして、いったん認可外に預けて働いている実績があると、翌年の認可申請で点数が加算される自治体もあります。つまり認可外は「つなぎ」であると同時に、次の年の認可入園を有利にする一手にもなり得ます。独立直後で申告実績が薄い時期ほど、この二段構えは効いてきます。

まとめ

フリーランスの保育園入園は、制度で締め出されているのではなく、証明の手間と点数の運用で不利になりやすい、というのが実際のところです。開業届と確定申告書で就労を証明し、就労申告書には実態に沿って稼働時間を正しく書き、書類の整合性を保つ。在宅の扱いは窓口で先に確認する。そして認可外や企業主導型も並行して押さえておく。この準備をしておけば、フリーランスでも保育園への道は十分に開けます。基準は自治体ごとに違うので、動き出す前に必ずお住まいの市区町村で最新の要件を確認してください。