会社を辞める前に、コンサルを副業で一度やっておけばよかった。これは、勢いで独立した私がいちばん後悔していることです。私は副業を挟まず、ある日きっぱり会社を辞めて独立しました。なんとかなったから今こうして書いていますが、振り返ると、あれは賭けでした。だからこの記事では、会社員のうちにコンサルの副業をどう始めるかを、私が「自分がやり直すならこうする」という順番で渡します。最初の一件の取り方、会社にバレずに進める線引き、そして副業から本気の独立に切り替える見極めまで。いきなり辞めなくても、独立への道はちゃんと作れます。
私はいきなり辞めた。だから「先に副業で試せ」と言う
正直に書きます。私は副業の期間を持たずに独立しました。会社員として積んだSAPの導入やプロジェクトの経験に手応えがあって、これなら外でも食えるはずだ、と思い込んでいた。結果として食えてはいるのですが、独立した最初の数ヶ月、毎月の給料がゼロになる感覚は、想像していた何倍も怖かった。貯金が減っていく口座を、毎晩のように見ていました。
あのとき、もし会社員のうちに副業で一件でも外の仕事を受けていたら、何が違ったか。「自分のスキルが、会社の看板を外しても本当にお金になるのか」を、給料という命綱を握ったまま確かめられたはずなんです。独立してからその確認をするのは、崖から飛び降りてからパラシュートを開くのと同じです。開けばいい、でも開かなかったときの落差が大きすぎる。
だから私は、辞めるか迷っている人に必ずこう言います。先に副業で試しなさい、と。これは安全策を勧めているのではありません。副業は、独立の予行演習として、これ以上ないほど良くできているからです。給料が入る安心の中で、営業も、値付けも、納品も、一度ぜんぶ通せる。失敗してもクビにならない。こんなに恵まれた練習試合は、独立してしまうと二度と手に入りません。
コンサルの副業は、最初の一件をどう取るか
副業で最初にぶつかる壁は、案件をどう取るかです。ここで多くの人が、知らない会社に営業をかける絵を想像して、怖くなって止まります。でも、会社員のうちにやるコンサル副業の最初の一件は、ほぼ確実に「すでにあなたを知っている人」から来ます。これは断言できます。
私が独立して最初に声をかけてもらった案件も、まったく知らない相手からではありませんでした。順番に書きます。
- 前職・取引先・知人の会社で「困っている人」を思い出す。 経理が回っていない、システムの入れ替えで人手が足りない、誰も全体を見られていない。あなたが会社で当たり前にやっていることが、外では「お金を払ってでも頼みたいこと」になっている場合が驚くほど多い。
- 売り込むのではなく、相談に乗る入り口を作る。 「最近どうですか」の延長で、相手の困りごとを聞く。そこで自分が役に立てそうなら、「もしよければ、月に数日だけ手伝う形もできますよ」と置いてみる。いきなり提案書を出す必要はありません。
- 小さく、期間を区切って受ける。 副業は本業の合間でやるので、最初から大きく受けてはいけません。週末や平日夜で回せる範囲、たとえば月に数日のスポットから始める。
最初の一件で大事なのは、金額でも規模でもなく、「外のお金を一度受け取る」という体験そのものです。会社の看板なしで、自分の名前で請求書を出し、入金を確認する。この一連を一度通すだけで、独立が「いつか」の話から「やればできる」の話に変わります。
そして副業の一件は、お金以上のものを教えてくれます。自分の仕事のどこに、人はお金を払うのか。会社の中では当たり前すぎて気づかなかった自分の強みが、外に出すと「それにこそ価値がある」と言われる。逆に、自分では得意だと思っていたことが、案外お金にならなかったりもする。この「外から見た自分の値段と強み」は、社内にいるかぎり一生分かりません。副業の一件は、それを安全に教えてくれる最初の鏡です。最初の一件の取り方は、独立後の動き方とほぼ同じなので、独立コンサルの始め方もあわせて読むと、副業から独立への地続きが見えるはずです。
会社にバレない、揉めない。副業の線引き
副業で必ず確認しておくべきなのが、会社との関係です。ここを雑にやると、独立する前に職場で揉めて、いちばん損をします。攻めの前に、守りを固める。 順番に押さえてください。
- 就業規則の副業規定を、まず自分の目で読む。 全面禁止なのか、許可制なのか、届け出制なのか。会社によってまったく違います。許可制なら、正直に申請したほうが後々ずっと楽です。
- 競合に当たらない相手を選ぶ。 自社の顧客や、明らかに競合する会社の仕事は受けない。これは規則以前に、信義の問題です。独立後に前職と良い関係でいられるかは、この一線を守れるかで決まります。
- 本業の時間とリソースを絶対に使わない。 平日の日中、会社のPC、会社の情報。ここに副業を持ち込んだ瞬間、すべてが台無しになります。副業は本業が終わったあとの自分の時間でやる。これは譲ってはいけません。
副業でいちばん怖いのは、案件で失敗することではありません。会社との信頼を壊して、円満に辞められなくなることです。独立後、前職が最初の顧客や紹介元になることは珍しくない。だから副業期間は、攻めると同じくらい、守りに神経を使ってください。
税金についても一つだけ。副業の所得が一定額を超えると、確定申告が必要になります。ここは制度の話なので、最新の基準や具体的な手続きは、必ず公式の情報か税理士に確認してください。この記事では深入りしませんが、「副業の収入は申告が要る場合がある」とだけ頭に入れておけば十分です。
副業から「本気の独立」へ。切り替える見極め
副業はあくまで予行演習です。ずっと副業のままでいると、本業の片手間でしか動けず、案件も大きくできません。どこかで、独立に切り替える判断が要る。私がもし副業からやり直すなら、次の三つが揃ったときに辞めます。
- 副業の収入が、辞めても数ヶ月は息ができる水準に届いた。 一件きりのまぐれではなく、続けて受けられている手応えがあるか。生活費の何割かを、外の仕事で安定して稼げているか。
- 「本業があるせいで受けられない案件」が出てきた。 平日に動けないせいで、大きな話を断っている。これは、副業という器が小さくなったサインです。器を変えるとき。
- 辞めることへの怖さが、「やってみたい」を下回った。 数字だけでは踏ん切りはつきません。最後は気持ちです。でも、副業で一度でも外で食えた経験があれば、その怖さは確実に小さくなっています。
私はこの三つが揃う前に、勢いで飛び降りました。それでも何とかなったのは運の要素が大きい。あなたには、もっと確かな足場から踏み出してほしい。独立に向けて何をどの順番で準備するかはコンサルの独立準備は何から?に、辞める前にやることをまとめてあります。そして、最初の一件をいくらで受けるかで独立後の数年が変わるので、値付けは副業のうちから独立コンサルの単価の決め方で練習しておくと、本番で安く受けて損をする失敗を避けられます。
副業は、独立の怖さを「確かめられる」唯一の練習試合
ここまで読んで気づいたと思います。コンサルの副業は、お金を稼ぐ手段である以上に、独立できるかを、リスクを抑えたまま自分で確かめる装置です。営業も値付けも納品も、給料という命綱を握ったまま一度通せる。失敗してもやり直せる。これほど安全に独立を試せる方法は、ほかにありません。
私は試さずに飛んで、後から「先に試せばよかった」と思いました。あなたが今、辞めるかどうかで迷っているなら、答えを一足飛びに出さなくていい。まずは小さく一件、外の仕事を受けてみてください。自分のスキルが会社の外でお金になる瞬間を、給料が入っているうちに見ておく。その一回が、独立を「いつかの夢」から「もう半分始まっていること」に変えます。
一人で考えていると、副業の一件目はどうしても重く見えます。「自分の経験は本当に売れるのか」を、誰かと一度整理するだけで動き出せることは多い。もし背中を押す相手が欲しければ、無料相談で一度、あなたの経験の棚卸しから一緒にやらせてください。